脱毛の基本中の基本「毛乳頭細胞」とは?なぜ毛が生えなくなるの?


脱毛サロンや医療脱毛クリニックでは、毛乳頭細胞という毛の構成要素の中でも重要な役割を果たす細胞の破壊あるいは損傷を行います。

この毛乳頭細胞とはどのようなもので、どのゆような働きをしているのでしょうか?

今回は毛乳頭細胞とはどのようなものなのかご紹介すると共に、なぜ毛乳頭細胞を破壊すれば毛が生えてこなくなるのかについて解説していきたいと思います。

毛乳頭細胞とは

毛乳頭細胞(Hair papilla)は、バルジ領域から生成された毛母細胞に密着し、発毛因子を送り成長を促進する細胞。毛が成長段階にあるとき(成長期)に毛乳頭細胞は毛母細胞と密着している状態を保ち、ある程度成長を終えると毛母細胞から分離する。

成長段階の時の毛の構造全体を図にすると以下のような感じ。

この毛乳頭細胞は各毛穴に一つ存在しており、一度破壊されると二度と再生しない。

当サイトをご覧いただいている読者諸君の中に、毛穴が死んでいる方がいらっしゃるかもしれないので言葉は慎重に選ばなければならないが、脱毛症の男性は毛乳頭細胞が勝手に壊れている可能性がある。

毛乳頭が破壊されると、毛乳頭細胞を移植でもしない限り二度と毛が生えてこないのだ。

一方で故意に毛を無くそうとする「脱毛」においては毛乳頭細胞を破壊することを目的とする。

毛乳頭細胞を破壊すれば毛が生えてこなくなる!?

毛乳頭細胞が破壊されれば、毛へ栄養が送られなくなるので、いかに他の毛の構成要素が再生したとしても肌の表面に出てこなくなる。そして、この毛乳頭細胞は破壊されると二度と再生しないとく特徴がある。

皮肉にも当サイトの熱心な読者たる諸姉連合は、中年男性が大事にしている毛乳頭細胞を破壊しようとしているのだ。ーー世も末である。

このため、毛乳頭細胞が破壊されれば脱毛が完了することになる。ーーだが、そんな簡単に破壊できるものではない。そんな簡単に毛乳頭細胞が破壊されれば世の中ハゲだらけになってしまう。

毛乳頭細胞はをどのように破壊するのか

これだけ技術が発展した世の中でも、毛乳頭細胞だけをピンポイントで狙って破壊する方法はない。

ーーでは、どうやって破壊するのかというと、メラニンに吸収されることで発熱する光やレーザーを活用するのだ。

脱毛の施術では、メラニン吸収係数が高いレーザーが使用される。メラニンと言えば日頃からスキンケアを怠らない諸姉にとっては「美容の大敵」というイメージが強いだろうが、毛髪の色もメラニンによって黒くなっている。

毛髪の色はメラニンによるものである。
ヒトの髪の色-Wikipedia

聡明な読者諸君ならすでにお分かりかもしれないが、脱毛では毛が持つメラニンに対してレーザーの照射を行う。そうするとレーザーは毛のメラニンに吸収され、熱を帯びる。毛があるところには毛乳頭細胞があるのだから、熱を帯びた毛から毛母細胞にくっついた状態の毛乳頭細胞に熱が伝導され、破壊することができる。

このように肌の上からレーザーを照射するだけで毛乳頭細胞が破壊できる仕組みこそが医療レーザー脱毛だ。

ーーだが、より多くの毛乳頭細胞を破壊するためにはレーザーを一定の間隔で複数回に渡って照射する必要が出てくる。これは毛乳頭細胞が毛周期によって複雑な動きをするためである。

毛乳頭細胞は毛母細胞から分離する

ここまで説明した方法では、「毛乳頭細胞が毛とくっついた状態であること」が毛乳頭細胞を破壊するための条件となる。

しかし、毛乳頭細胞は毛周期と呼ばれる毛の成長のサイクルに応じて厄介な動きをすることになる。ーーまずは毛周期を図にした以下の画像をチェックしてみてほしい。

ご覧いただけると分かるように、退行期には毛乳頭細胞が毛母細胞から分離してしまっている。そして、休止期という「メラニンが毛穴にない」状態もある。ーーこれではレーザーの熱を毛乳頭細胞まで伝えることができない。

そのため、1回の照射では500万ある毛穴全ての毛乳頭細胞を破壊することができない。より多くの毛髪を削減するためには休止期や退行期の期間の長さを考慮して1ヶ月〜2ヶ月置きに複数回に渡ってレーザーを照射する必要がある。

理論上、一般的な毛周期の長さから考えるとレーザーを2ヶ月に1度照射することで1回目で30%、2回目で50%、3回目で70%、4回目で80%、5回目で90%程度の毛を削減することができる。

ニューヨークのDr.ロビンも、永久脱毛に関する取材で以下のように述べている。

レーザー脱毛でほとんどの毛を削減するためには4週間〜6週間の間隔で6回の施術をする必要があるわ。

ーーだが、100%の毛を削減するためには6〜7年程度の期間を必要とすることになる。なぜなら10%程度の毛穴は6〜7年ほど休止状態にあると言われているためだ。

先程紹介したDr.ロビン同じ取材でDr.ホラサンは以下のように述べている。

レーザー脱毛は80〜90%の毛を恒久的に削減するために有効な手段だ。

これについては別の記事でも解説しているので、そちらをチェックしてみてほしい。

ともかく、本項ではより多くの毛乳頭細胞を破壊するためには複数回の照射が必要になることをご理解いただければと思う。

毛乳頭細胞を破壊すれば永久脱毛は実現するのか

ここまで解説してきた内容では、理論上毛乳頭細胞を破壊することができれば、永久脱毛は可能になる。

ーーだが、一部のメディア界隈では「レーザー脱毛は永久脱毛ではない」ということが言われている。

永久脱毛とは、脱毛施術をしてから50年間毛が生えてこない場合に使われる言葉なのよ。
引用:美女肌計画

ーーこれはどういうことなのか。

結論から言えば、上記は間違った認識だ。そもそも永久脱毛は50年間毛が生えてこないことなどという定義はどこを探してもない。適当なことを言って読者を惑わすことはやめていただきたいものだ。

こういった脱毛を解説するメディアを運営する人間でさえ勘違いをする原因は、一重に英語が苦手だからだろう。彼ら(彼女ら)を混乱させていているのは、FDAや電気脱毛協会が「永久脱毛はニードル脱毛によってのみ実現が可能」と定義しているためであろう。しかし、この「永久脱毛」という日本語訳そのものが微妙な英文のニュアンスを無視している。

確かにFDA(アメリカ食品医薬品局)によれば永久脱毛とは、「Permanent Hair Removal」であり、これはニードル脱毛によってのみ可能であると定義している。
ーーつまりレーザー脱毛は”Permanent hair removal(恒久的な毛髪の除去)”ではないとしている。

しかし一方で、FDAはレーザー脱毛のことを”Permanent hair reduction(恒久的な毛髪の除去)“と表現している。

これは先程解説したように「レーザー脱毛では100%の毛が削減できない」という事実があるためだ。ーーしかし施術を繰り返し行うことで90%程度の毛は恒久的に削減することが可能だ。だって、破壊された毛乳頭細胞は再生しないのだから。

また、毛乳頭細胞がなくなったとしても、毛母細胞は残った状態であることも理由かもしれない。レーザー脱毛は完璧に毛を根こそぎ除去するものではなく、毛が肌の表面に出てこなくなる状態をつくるものだ。つまりレーザー脱毛が完了しても毛穴の中に毛母細胞はある状態なのだ。

ーー長くなってしまうので、永久脱毛に関する解説はこのあたりにしておくが、レーザー脱毛では皆さんが想像する永久脱毛が可能だ。

このあたりの詳しい解説については、以下の記事を参考にしてください。

脱毛サロンでは毛乳頭細胞の破壊ができない

さて、ここでもう一つ皆さんに知っておいていただきたいのは、「脱毛サロンでは毛乳頭細胞の破壊ができない」ということだ。もう少し具体的にいうと、脱毛サロンでは永久脱毛ができない。

理由は単純明快。毛乳頭細胞を破壊するという行為は医療行為であるため、医師免許を持っていない脱毛サロンのスタッフが毛乳頭細胞を破壊すれば医師法17条に違反することになる。

国民生活センターでも、以下のように注意喚起を行っている。

医療機関では、レーザー等により毛の発生源を破壊する等、高い効果が得られる脱毛を受けることができます。皮膚内部の組織を破壊する行為ですので、やけど等の皮膚トラブルが起きるおそれもありますが、トラブルが起きた際も直ちに医師の診察を受けることができます。

一方、エステでは、光を照射すること等による一時的な除毛・減毛など、医行為に該当しない範囲の施術しか行うことができません。
引用:国民生活センター

確かにエステ脱毛で使用されているIPLやクリプトンライトによっても、出力を極限まで上げれば毛乳頭細胞を破壊することは可能である。ーーだが、いたずらに出力を上げてしてしまっては肌まで焼けてしまう。

アメリカでは安価なIPL脱毛機で永久脱毛をしようとして、治療不可になるまでに火傷をしてしまった事例も多数報告されており、非常に大きな問題になっている。

これは毛だけでなく、人間の肌がメラニン色素を持っているためだ。シミになっていなくても、私達日本人の肌は白人に比べて色素が濃い。そのため、肌のメラニンに光が吸収され、発熱することで火傷を引き起こすのだ。

IPL脱毛によって火傷をするとどんな感じになるか見てみたい人は、こちらをクリックしてみてほしい。(※グロ注意)

光脱毛の効果持続期間は3年〜5年

こういった事実があるにも関わらず間違った知識が蔓延している。

実際には光脱毛サロンや医療レーザー脱毛でも、毛の再生率は高くないわ。
適切な施術を受ければ、ほぼ一生毛が生えてこない状態を維持することは可能よ。
引用:脱毛デレラ

ーーこんなことを書いてしまうサイトが後を絶たない。しかしこれは大きな間違いだ。わざと間違った情報を流しているのか、本当にわかっていないのかは不明だがいずれにせよ信用してはいけない。

脱毛サロンでは医師法17条の法的な縛りもあり、毛乳頭細胞を破壊せず、あくまで一時的に損傷させる程度のものである。そのため、毛乳頭細胞が回復すれば毛はまた生えてくることになる。

実際に脱毛サロンシースリーが行った調査によると、脱毛サロン経験者の60%以上が5年以内にムダ毛の復活を実感している。ーーそれもそのはずだ。毛乳頭細胞は破壊されていないのだから。

ーーそのため、脱毛サロン、光脱毛、エステ脱毛で半永久的に脱毛ができるというのは間違った認識であり、逆にレーザー脱毛はレーザーが毛乳頭細胞に当たれば恒久的な毛髪の削減効果がある。

この手の間違った情報を流すサイトは広告費目的で脱毛サロンに誘導をしようとしている可能性があるので、注意してほしい。

まとめ

ーーさて、実は最近になって毛乳頭細胞を狙わない脱毛方式も出てきた。SHR脱毛やバルジ脱毛と呼ばれる方式だ。

しかしバルジ領域は再生する可能性がある方式であるため注意が必要だ。現時点で最も確実な脱毛の方法は「毛乳頭細胞を破壊すること」である。

毛乳頭細胞を破壊することができれば、その毛穴から毛は二度と生えてこなくなる。ーーもちろん、毛周期の関係で破壊できない毛があるため、全ての毛を永久脱毛することは難しいのだが…。

ともかく、脱毛をするなら90%程度の毛を恒久的に削減するために最もリーズナブルで有効的な手段であるレーザー脱毛をおすすめします。

医療脱毛が高額だと思っている方もいらっしゃるかもしれないが、以外と脱毛サロンと金額は変わらないのですよ?以下では医療脱毛と脱毛サロンの金額を比較したりしているので、ぜひ参考にしてください。

 2019年3月14日

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