バルジ領域とは?破壊すれば永久脱毛はできる?

最近になってバルジ脱毛や蓄熱式脱毛、SHR脱毛という言葉を頻繁に耳にするようになりました。これらの脱毛方式は全てバルジ領域という幹細胞を生成する部分を破壊あるいは損傷させることを目的としたもので、従来型の脱毛方式に比べて痛みが少なく肌への負担も少ないことから注目を集めています。

しかし、バルジ領域について正しい知識を持たなければ脱毛完了後後悔することになるかもしれません。ということで、今回はバルジ領域について詳しく解説していきたいと思います。

バルジ領域とは?

バルジ領域の正式名称は毛隆起といって、毛包幹細胞 (hair follicle stem cell) と色素幹細胞 (melanocyte stem cell)という2種類の幹細胞を生成し毛包全体に新たな細胞を供給する役割を担っています。また、肌表面が傷ついたときに表皮の治癒に関与したり、毛乳頭細胞へシグナルを送ることで毛髪の成長を促進したりもします。

ーーなどと難解な言葉を並べても諸姉らの頭にはすんなり入ってこないと思いますので、簡単に説明します。バルジ領域は、諸姉らが憎んでやまないムダ毛の元になる卵を生成し、毛細胞全体に司令を出す毛穴の要を担う司令塔のようなものです。

そもそも毛細胞全体は、以下の画像のような構造になっています。
毛包

上記図の毛母細胞というのが、毛の元になっており、毛母細胞が毛乳頭細胞から栄養を受け取ることで毛は成長していきます。そしてある程度毛が成長すると毛乳頭細胞が毛母細胞から分離します。そして栄養をもらえなくなった毛は自然に抜け落ちていきます。
毛周期

この一連の流れのことを毛周期と呼びますが、抜けたらその毛穴から二度と毛が生えてこないわけではありません。毛周期は英語で”hair cycle”というくらいですから、繰り返されるのです。

毛が抜けそうになると、バルジ領域から新たな幹細胞が生成され、この幹細胞が新しい毛母細胞が形成するのです。

バルジ領域の働き

毛はこのように抜けては新しくできて、成長しては抜けて…といった具合に成長と退行を数ヶ月〜数年かけて繰り返しています。

まとめると、バルジ領域は新しい毛細胞の元になる幹細胞を生成し、然るべきタイミングで毛母細胞を生成し、然るべきタイミングで毛を成長させる役割を持つ重要な領域なのです。


毛母細胞はアンパンマンの新しい顔なら、幹細胞は小麦粉やアンコ、バルジ領域は新しい顔を作ってくれるジャムおじさんってところかしら。


毛乳頭細胞はアンパンマンを成長させてくれる愛と勇気って感じ?


ま…まぁそういうことになるかしら。

バルジ領域を破壊すれば永久脱毛ができる!?

さて、ここまで読んでいただいた方は「ーーということは、バルジ領域を破壊すれば毛が一生生えてこないのでは?」と思われるでしょう。

確かにバルジ領域を破壊することができれば新しく毛母細胞ができなくなります。毛母細胞がなければ毛乳頭細胞がいくら栄養を供給しようとも成長する毛がありませんから、肌の表面にムダ毛が顔を出すことはなくなるでしょう。ーーと一般的には言われています。

しかし多数はの意見が正しいとは限りません。バルジ脱毛とは医師ですら正しい知識を持っていない非常に曖昧なものなのです。なぜならバルジ領域は2000年ごろ発見されて以来今もなお研究が繰り返されており、科学的にも分かっていないことが非常に多い領域だからです。

バルジ領域を破壊するってどういうこと?

そもそも、バルジ領域とは毛包の中で膨らんだ部分のことを指すわけですが、これを破壊するとはどういうことなのでしょうか?実は、「バルジ領域を破壊する」という表現には語弊があります。「バルジ領域にある幹細胞を破壊する」という表現が正しいでしょう。

バルジ領域をターゲットにしたバルジ脱毛や蓄熱式脱毛は、比較的弱い熱で脱毛が可能だと謳っていますが、これは未完成で比較的熱に弱い幹細胞を破壊するためには40℃〜80℃くらいの熱があれば十分だからです。つまり、組織そのものは残っているわけです。確かに幹細胞は弱い熱で破壊できるかもしれませんが、肝心の組織そのものが残っている状態で果たして永久脱毛が可能なのでしょうか?

バルジ領域は再生する!?

さて、冒頭で紹介したバルジ領域に関する難解な解説について覚えておられるだろうか。繰り返しになるが、バルジ領域は毛包幹細胞 (hair follicle stem cell) と色素幹細胞 (melanocyte stem cell)という2種類の幹細胞を生成し、これが毛母細胞となるのですが、2種類の幹細胞はそれぞれ以下のような役割を持っています。

毛包幹細胞
毛を形作る細胞である角化細胞の元の細胞として機能する
色素幹細胞
毛の色をなす色素細胞を生み出す。

余談ですが、皆さんは人が加齢に伴って毛髪の色が白くなることをご存知かと思います。白髪というのは、色素幹細胞がうまく機能していないため生えてくる毛なのです。

話を戻しますが、バルジ脱毛では上記2種類の幹細胞のうち、毛包幹細胞の破壊を試みるものだと言えます。そして、この毛包幹細胞は17A1という17型コラーゲンというものによって維持されると考えられています。17型コラーゲンが欠損すると毛髪の減少あるいは脱色が起こることは様々な大学で行われている研究レポートによって立証されています。

これ以上詳しく解説しても諸姉らを退屈させるだけなので詳細は割愛しますが、バルジ領域の機能を奪うためには17型コラーゲンの生成をストップさせる必要があるわけです。逆に言うとバルジ領域は17型コラーゲンさえ維持されていれば自己複製することができるということです。17型コラーゲン(Col17a1)は健常な人間全てに存在する遺伝子であるため、全ての人は毛包幹細胞の自己複製機能を有するということになるのです。

最近育毛分野ではこの17型コラーゲンの働きを助ける効果を持つ成分「マジョラムエキス」というものも話題になっており、なんとかして無理やり17型コラーゲンを生成できないかと研究も繰り返されています。また、17型コラーゲンが欠損する理由についてもよく分かっていません。ーー少なくとも熱によるものではないでしょう。

ともかく、薄毛の人と違って意図的にバルジ領域の幹細胞を破壊しようと試みる皆さんは17型コラーゲンは生成されているはずですから、蓄熱式脱毛では永久脱毛ができない可能性が高いのです。


さっきのアンパンマンの例でいうと、パン工場からアンパンマンの顔の材料を盗んでも、材料はまた仕入れることができるからジャムおじさん(バルジ領域)がいれば何度でもアンパンマンは再生するってことよ。

毛乳頭細胞を破壊しないと永久脱毛はできない

こういったことから、脱毛ミーアは毛乳頭細胞を破壊しなければ永久脱毛はできないという説を推しています。

仮にバルジ領域を完全に破壊する方法が見つかったとしても、バルジ領域は表皮の治癒にも関わっている部分であるため、破壊するのは非常に危険な行為です。ーーというのも、幹細胞は誤って生成されるとがん細胞になる可能性があると言われているからです。何かの拍子に皮膚がんを発症する可能性だって考えられるのです。

現時点では「可能性がある」という推測の範囲を超えませんが、それでも脱毛をしたがゆえに将来ガンに苦しむことになるなんて考えただけで寒イボものですよね。しっかりと仕組みが解明されていて安全で確実な効果が期待できる「毛乳頭細胞を破壊する脱毛」を選択することをおすすめします。

 2019年3月14日

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