【図解】バルジ脱毛(蓄熱式脱毛)と普通の脱毛は何が違うの?

最新の脱毛方式として注目を集めるバルジ脱毛(蓄熱式脱毛)は、従来型の脱毛サロンや医療脱毛のメソッドである熱破壊式脱毛と何が違うのでしょうか? 今回は、バルジ脱毛と熱破壊式脱毛の違いについてご紹介していきたいと思います。

バルジ脱毛はバルジ領域を狙った脱毛

まず、最も大きな違いとして、熱破壊式の脱毛とバルジ脱毛では破壊する部分が異なります。――というのも、従来型の脱毛では毛乳頭細胞という毛に成長シグナルを送る細胞をターゲットとしていました。毛乳頭細胞を破壊する脱毛方式は、メラニン色素(黒い色)に吸収されることで熱が発生する近赤外レーザーやクセノンランプを肌の上から照射することで発生した熱によって毛乳頭細胞を破壊するというものでした。

脱毛の仕組み

上記図のように、毛乳頭細胞が機能しなくなると毛に成長シグナルが送られなくなるため、毛は表皮の上に出てくる長さまで成長できなくなります。レーザー脱毛やニードル脱毛では破壊された毛乳頭細胞は二度と再生しないという特徴を利用して、強い熱で毛乳頭細胞を破壊することで永久脱毛の効果を得ることができるのです。

一方のバルジ脱毛は、毛乳頭細胞ではなくバルジ領域という毛の幹細胞を生成する部分にレーザーやクセノンランプを照射することで、幹細胞を破壊することで毛が生成されるのをストップさせようというアプローチです。

私達の毛の元となるのは、毛母細胞というものですが、毛母細胞は毛乳頭細胞とは異なり、幹細胞がある限り何度でも復活するという特徴を持っています。毛母細胞のもととなるのは、毛包幹細胞と色素幹細胞という2種類の幹細胞。2種類の幹細胞が合わさってできるのが毛母細胞です。

そして、これら2種類の幹細胞が貯蔵されている領域がバルジ領域という部分です。バルジ領域は表皮から比較的浅い位置に存在しており、複数の幹細胞が貯蔵されています。あるタイミングになるとバルジ領域から幹細胞が排出され、毛穴の最深部に着床し、毛母細胞を形成するのです。つまり、幹細胞がある限りは毛母細胞は無限に生成されることになるということになりますね。

この幹細胞は熱に弱いという特徴を持っています。テレビドラマや映画などで幹細胞を冷凍しているシーンを見たことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか? あれは、幹細胞が熱に弱いという性質を持つため冷凍保存する必要があるためです。

余談はさておき、バルジ脱毛では、幹細胞が熱に弱いという性質を利用して、最低限の熱で毛包全体を温め、バルジ領域内にある幹細胞を全て破壊しようとするのです。

バルジ脱毛の仕組み

さて、簡単にバルジ脱毛の仕組みについて解説してきましたが、破壊しようとする場所が異なるだけで様々な違いが生まれてきます。その違いについて以下で解説していきたいと思います。

1.バルジ脱毛は痛みが少ない

皆さんは、「脱毛は痛い」というイメージをお持ちだと思います。その痛みの原因はズバリ「熱」です。先程もチラッと解説しましたが、脱毛で使用する近赤外レーザーやクセノンランプというものは、メラニン色素に吸収されることで熱を発生させます。イメージが湧きにくい方も、真夏のビーチにサングラスを放置した時のことを思い出してみてください。サングラスは太陽の光を浴びて熱を帯びていますよね?

これは、太陽の光にも近赤外線が含まれているためです。近赤外線は黒色に吸収されることで熱を発生させるのです。レーザー脱毛や光脱毛ではこの性質を利用して毛にレーザーが当たると熱を発生させるような仕組みになっています。

詳しい脱毛の仕組みに関する説明は割愛しますが、要するに脱毛は熱いから痛いのです。

従来型の熱破壊式脱毛というのは、毛乳頭細胞という通常の細胞と同じくらいの強さを持つ細胞を破壊する必要があったので、瞬間的に高温を発生させる必要があります。冷却装置がついているとはいえ、特にメラニン色素が濃い、太い毛を脱毛するときには肌表面の温度が上昇し、強烈な痛みが発生するわけです。

一方バルジ脱毛は熱に弱い幹細胞の破壊を狙った脱毛であるため、瞬間的な高温を発生させる必要がありません。ただし、バルジ領域を明確に狙い撃ちすることができないため、肌の中に熱をためる必要があります。このため、熱破壊式の脱毛が「バチンッ!」と輪ゴムで弾かれたような痛みがあるのに対して、バルジ脱毛は「ジワーっ」と熱が広がっていくような痛みになります。

「バチン!」と「ジワー」なら「ジワー」のほうが痛くなさそうですよね? 痛みの感じ方は人それぞれであるため、一概には言い切れませんが、一般的にバルジ脱毛のほうが痛みは少ないと言われています。

2.毛周期を気にせず通うことができる

脱毛で効果を得るためには、医療脱毛でも5回〜6回、エステ脱毛なら12回〜18回通う必要があります。これは、私達の体毛には毛周期というものがあるためです。

毛周期とは、毛が成長と退行を繰り返す周期のことですが、これまでの熱破壊式脱毛は毛周期を意識しながら通う必要がありました。なぜなら、毛乳頭細胞は毛周期によって毛母細胞から分離してしまうためです。毛乳頭細胞は自身がメラニン色素を持っていないため、毛母細胞から分離してしまうと、レーザーがあたっても熱が発生しないのです。つまり、毛母細胞と毛乳頭細胞がくっついた状態でないと、脱毛効果を得ることができないのです。

毛周期
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一方バルジ脱毛は毛包全体を温めることで幹細胞を破壊する脱毛方式です。このため、ある程度毛周期を気にせず通ってもそれなりに効果を得ることができるのです。毛が持つメラニン色素に吸収されることで熱が発生するという仕組みは同じであるため、毛がない状態でレーザーを照射することはできませんが、毛が抜けかかった状態――つまり退行期であってもバルジ脱毛であれば効果を得ることができるのです。

このため、バルジ脱毛は完全に無視することができるというわけではありませんが、ある程度無視することが可能で、熱破壊式の脱毛に比べて早く脱毛を終えることができるということも特徴です。

3.バルジ脱毛は永久脱毛ができない可能性がある

痛みが少なく、毛周期もある程度無視できるバルジ脱毛ですが、メリットばかりではありません。実は最近の研究でバルジ脱毛では永久脱毛をすることができない可能性が浮上してきたのです。

――というのも、幹細胞は自己複製能力を有しています。自己複製能力とはつまり、自分をコピーする能力のことですが、要するに幹細胞が一つでも残っている限り幹細胞は無限に増殖することができるというわけです。ということは、バルジ脱毛で永久脱毛をするためにはバルジ領域から完全に毛包幹細胞と色素幹細胞を破壊する必要があります。

しかし、例えば皆さんはお皿洗いをするときに、強力な洗剤を使っても、「100%除菌ができた」と言い切ることができるでしょうか? 「――もしかしたら、1%くらい残っているかもしれない」と思いますよね? それと同じでバルジ脱毛によってバルジ領域内の全ての幹細胞を破壊することができるという保証などどこにもないのです。また、最近の研究で「17型コラーゲンという人間が体内で生成することができる物質があれば幹細胞は増殖を繰り返す」ということが判明したため、バルジ脱毛の効果の持続性に疑問を抱く声も出てきたのです。

とはいえ、一時的には幹細胞が減少することが考えられるため、幹細胞が復活するまでの間は効果が持続すると考えることができます。このあたりのことは、まだまだバルジ脱毛が新しい脱毛方式であるということもあって、研究が進んでいないためハッキリしたことが言えない状況です。もし皆さんが「確実な方法で脱毛したい」と考えるのであれば、従来型の熱破壊式の脱毛をおすすめします。

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